チューリッヒ くらすプラス

2016年9月1日に販売が開始された、チューリッヒ生命の就業不能保険「くらすプラス」を検証してみます。こちらは他社でも珍しい、「うつ病などのストレス性疾病による入院」にも対応した就業不能保険。しかしあくまで「入院」に限定されるということが見逃してはならないポイントで、しかもその入院が60日を超えなければ給付対象とは見なされません。対象となるストレス性疾病は、①気分[感情]障害(うつ病等)、②神経性障害、ストレス関連障害・身体表現性障害、③摂食障害、④更年期障害、⑤統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害、⑥非器質性睡眠障害、⑦胃潰瘍、⑧十二指腸潰瘍、⑨潰瘍性大腸炎、⑩過敏性腸症候群の10つ。症状の種類も多岐にわたり革新的ではありますが、しかしこれらの症状で60日以上の入院継続ということになると、よほど深刻な状態であることは否めません。在宅療養にまで門戸が広がればもう少し現実味も増しますが、やはりまだまだハードルが高い内容だと言わざるをえませんね。勿論、これらに加え悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全での就業不能状態と60日を超えて継続すれば給付対象となります。また給付金の設定も独特で、まず「年金受取総額」を240万・360万・600万・1200万の中から選択することから始まります。期間満了まで毎月受け取る、最初に一括、もしくは一部を一括で受け取るなど個人の病状や生活スタイルによって受け取り方は自由。確定年金なので就業不能状態の支払い事由に該当すれば、その後たとえ職場復帰しても設定した年金受取総額は必ず支給されるのは嬉しい点ですね。ただし該当後は保険料の支払い免除特約などはなく、引き続き主契約の保険料を納め続けなければなりません。ストレス性疾病に備えられるといった点は非常に画期的ですが、やはりそのハードルの高さは相変わらずで改善を期待したいところです。40歳男性・月額10万円ずつを受け取るモデルケースでは、年金支払期間3年(総額360万円)なら月々3415円、5年(総額600万円)で5025円、10年(総額1200万円)になると8885円となります。保険料の安さは魅力的なので、就業不能保険にどれか1つは加入しておきたい、という人には良いかもしれませんね。