太陽光発電の買取価格の今後の見通し

2013年4月から太陽光発電の売電価格が一律42円から、家庭用の10kW未満は1kWh当たり38円、メガソーラーなどを含めた事業用の10kW以上は1kWh当たり37.8円に値下げされました。

売電価格下落

(経済産業省より引用)

同時に太陽光発電システムの設置価格もこの1年で大きく下がり、需要の拡大は続いているようです。今後、売電価格はどうなっていくのか、今後、太陽光発電システムを設置するのは得なのか考えます。

固定価格買取制度とビジネス

固定価格買取制度はビジネスとして
利益がでるように設計されている


太陽光発電など再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、イニシャルコストやランニングコストなどの経費をかけても、基本的にビジネスとして利益がでるように設計されています。


事業用の10kW以上の太陽光発電施設は、1kWh当たり37.8円の固定価格で電力会社が20年間全量買取をしますので、投資に対して毎年4%、最初の3年間は優遇して6%の利益がでるように設計されています。

家庭用は節電を含めて導入するメリットがある


家庭用は節電を含めて
導入するメリットがあるように設計されている


これに対し、家庭用の10kW未満の太陽光発電システムは余剰電力買取価格を高くして、ビジネス目的ではなく、節電を含めて導入するメリットがあるように設計されています。


今後も売電単価の見直しは行われ、システム価格が年々安くなってきていることから、売電単価は今後も少しずつ下がっていくことになります。


経産省が平成25年度の太陽光発電の買取価格を2015年度には30円/kWhに下げる方向で検討していることが日本経済新聞で報道されていました。


売電単価は調達コストとランニングコストを元に計算し、利益率を変えているわけではないので、基本的には今後も損得に関しては変わることはないとされています。


売電価格下落でも収支は変らない

(資源エネルギー庁、再生可能エネルギーの固定価格買取制度ガイドブックより転記)

太陽光発電の市場の動向

日本における太陽光発電システム市場の今後の動向について、富士経済社によれば、住宅用、産業用共に中・長期的にも安定した市場拡大が見込まれるということです。

産業用市場が大幅に拡大することが見込まれている

日本の太陽光発電需要は2011年までは住宅用が中心でしたが、2012年7月から始まった再生可能エネルギー固定価格買取制度を活用した、企業の太陽光発電事業やメガソーラー建設事業が増加しており、太陽光発電の産業用市場が大幅に拡大することが見込まれています。

画像の説明


ただ、固定価格買取制度や補助金という政策主導型の市場拡大は、今後の政策変更による需要量の変動やそれに伴う関係事業への影響の懸念もあり、政策の動向が注目されます。

住宅用も価格が低下してきている

住宅用の太陽光発電システムの動向については、太陽電池モジュールの価格が低下し、補助金がなくても導入できるレベルになっているので、今後も安定した市場の拡大動向が見込まれます。


住宅用太陽光発電システム価格は、2005年に1kWhあたり66万円まで価格が下がった後、2008年まで一旦上昇しましたが、2009年に補助金が復活してから2010年には1kWhあたり57万円と再び価格が下がっています。


今年の太陽電池モジュールの価格動向を月別のレポートから紹介すると、1月に昨年暮れの駆け込み需要を狙った値下げ競争が一段落し、ほとんどの業者が据え置き、最安値の更新はありませんでした。


2月の動向は駆け込み需要のラストチャンスと捉えて、値下げが行われ、より高性能な製品がお得に購入できる状態でした。2月5日に経済産業省が、売電42円の申請に間に合う太陽光発電システム設置の目安は、2月22日までという発表をしたことが影響したようです。3月の動向は3メーカーで最安値の更新があり、KW当たりの収支が良くなっています。

太陽光発電 価格 下落

住宅用太陽光発電システムの平均価格は下落傾向が続いてる

太陽光発電普及拡大センターの集計によると、住宅用太陽光発電システムの平均価格は、下落傾向が続いています。国内で初めて太陽光発電システムが販売された1993年頃の平均価格は370万円/kWでしたが、その後、システム価格は年々下落し、2000年には84万円/kWと1/4以下になりました。太陽光発電システムの補助金が2009年に復活してから、再び下落傾向となりました。

2009年1~3月期の太陽光発電システムの平均価格は、既築設置の場合、62万4千円/kWで、2012年10~12月期の平均価格は46万6千円/kWとこの4年間だけで約18万円/kW下落し、4年前と比較して約3割下がったことになります。一般的な住宅用に設置されているシステムの平均設置容量は4~5kWですから、システム全体の価格は70~90万円下落しています。

ちなみに2009年の住宅用システムの平均設置容量は3.79kWでしたので、システム全体の相場は236万円で、全体の費用はそれほど下落していません。これは太陽電池モジュールの費用が下落したことと、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まったこと、一般住宅用に太陽光発電の設置のための補助金制度ができたことで、平均的な設置容量が4年間で大きくなり、より多くの発電ができるシステムの導入を後押ししているためと考えられます。

早く元がとれるようになっている

太陽光発電システムをこれから導入し、できるだけ多く発電して売電することも考えるなら、住宅の屋根の形状や面積、日射量、周辺環境に応じた最適のシステムを検討して下さい。システム費用も4年前と比較して3割も下がっていますので、初期費用の負担も以前ほどではないですし、早く元が取れるようになっています。

太陽光発電 価格 最新

太陽光発電と固定価格買取制度をめぐる最新レポートから紹介します。

太陽光発電所が増える

2012年7月から始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、予想以上の広がりを見せており、最新情報によれば2013年末には2万件を超える太陽光発電所が全国で運転を開始する見込みです。

2012年11月末時点のデータによると、太陽光発電設備認定件数は18万7297件(設備容量3648MW)でその内、出力10kW以上の非住宅用太陽光発電設備は2万1219件(設備容量2535MW)を占め、約半分が運転を開始しています。

平坦な広い土地の取引価格が高騰している

固定価格買取制度以降、非住宅用の発電事業にはデベロッパー、商社、設計・施工業者の他、モジュールメーカー自身が事業者として参画するケース、最新事例では海外のデベロッパーや金融機関の参入もあります。固定価格買取制度以降、日射量が多くて送電線のアクセスが良く、平坦な広い土地に対する需要が高まり、日本は平坦な土地が少ないため、土地取引価格が高騰しています。

「JIS Q 8091」制定

一方で事業者側から、固定価格買取制度が適用される20年の間、太陽光発電モジュールメーカーが保守サービスを維持できるのかという関心が寄せられ、メーカー側の最新の動きとして、品質保証体制を検証する統一した規格基準として「JIS Q 8901」を制定しています。固定価格買取制度により、太陽光発電システムは住宅用から産業用へ利用範囲が拡大したことで、最新の動きが目まぐるしくなりました。

モジュールの性能劣化

太陽光発電システムの高電圧化が最新の動きですが、そのため、モジュールの内部回路と接地されているフレームとの電位差による、電流の漏れが生じるようになり、温度や湿度など周辺環境の影響から、モジュールの性能劣化が起きるようになったと最新レポートにあります。


太陽光発電について、設置に必要な価格が高いといった声が沢山あるようですが、確かに安いとは言えませんよね。しかし、太陽光発電と言うのは、それだけの費用を支払っても設置した方が将来的には良いと言われています。

メーカー(主要機種の型式)太陽電池の種類モジュール変換効率1kWあたり相場価格(税抜)パネル1枚の重さ100W当たりの重さ
東芝(SPR-250NE-WHT-J)単結晶20.10%約42万円15.0kg6.00kg
パナソニック(VBHN240SJ21)HIT18.70%約43万円15.0kg6.25kg
シャープ(NB-245AB)単結晶19.70%約43万円15.0kg6.12kg
長州産業(CS-260C11)単結晶15.90%約43万円18.0kg6.92kg
カナディアンソーラー(CS5A-200M(bf))単結晶15.65%約41万円15.5kg7.75kg
サンテックパワー(STP255S-20/Wd)単結晶15.70%約41万円18.2kg7.14kg
三菱電機(PV-MA2120J)単結晶14.90%約42万円16.0kg7.27kg
京セラ(KJ200P-3CRCE)多結晶14.77%約41万円16.0kg8.00kg
Kyocera(KJ80P-3CSCA)多結晶13.70%約43万円6.3kg8.13kg
SOLAR FRONTIER(SF170-S)化合物13.84%約39万円17.0kg11.76kg


以前よりもはるかに安い太陽光発電の価格

太陽光発電の価格は以前よりもはるかに安くなっていますし、保証期間に関してはどんどん長くなっています。


メンテナンスの回数や期間についても、しっかりしたものになっていて、最近はオリジナルブランドを開発、販売しているメーカーも出てきましたので、やはり以前よりも安く設置出来るようになっています。

太陽光発電の単価が下がった背景は固定価格買取制度

固定価格買取制度の影響で様々な業種が参入

太陽光発電は固定価格買取制度が始まってから、様々な業種の企業が多数参入するようになっています。

画像の説明

そのような影響もあり、太陽光発電システムの設置計画を立てる時に迷うのが、どの種類のパネルを使用するかということです。


現在、流通している太陽光発電パネルは、主に単結晶シリコン多結晶シリコンハイブリッド型化合物の4種類で、それぞれ発電能力や価格は違います。
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一般に太陽光発電パネルの性能を示す数字として、面積当たりの最大出力「変換効率」が挙げられ、4種類を変換効率の高い順に並べるとハイブリッド型、単結晶シリコン、多結晶シリコン、化合物の順になり、価格が高い順でもあります。しかし、出力1KW当たりの単価で比較すると結果が違ってきます。

出力1KW当たりの単価とは、太陽光発電パネルの価格÷最大出力で、住宅用太陽光発電パネルの定価で出力1KW当たりの単価を比較してみました。

単価が安いものは?

結果は単価が安い順に多結晶シリコンが467~600円程度、化合物が590円程度、単結晶シリコンが563~670円程度、ハイブリッド型が650円程度となっています。メーカーによって価格の差はありますが、多結晶シリコンが出力1KW当たりの単価が最も安く、ハイブリッド型は変換効率が高い分、1KW当たりの単価も高くなるという結果です。

実際に見積もりを取る際は値引きがありますし、購入するパネルの枚数によって値引き幅が変わる可能性もあります。しかし、太陽光発電システム設置を手がける複数の業者によると、実際の見積もりでもこの傾向は変わらないということです。

出力1KW当たりの単価と変換効率を考えると、多結晶パネルは単位面積当たりの発電量は劣ることから、駐車場跡などの空き地に多数のパネルを設置するのに適しています。

どんどん安くなってきている太陽光発電の価格

太陽光発電を販売しているそれぞれのメーカーでは、価格をどんどん下げていますので、これだけでも以前よりリーズナブルに設置することが可能になりました。


さらにこれだけではありません。太陽光発電を設置した後もメンテナンスなどが必要になるし、万が一故障してしまった場合などの保証に関しても、どんどん手厚くなっています。


現在でも高いといったイメージがある太陽光発電ですが、普及が始まった頃は今よりもはるかに高い金額だったため、導入するご家庭や企業というのは本当に少なかったと言われています。


近年の地球環境に関しての問題を考えてみると少しでも太陽光発電の価格をリーズナブルに引き下げ、より多くのご家庭や企業が導入することができるようにといった取り組みが行われています。


また一時期、太陽光発電の設置に対し補助金を受けることが可能になっていましたが、現在では補助金を受けることもできなくなっているために太陽光発電の価格そのものをリーズナブルにして設置しやすくしています。


それぞれのメーカーによって価格は大きく違っていますが、中には太陽光発電を8万円で設置することができるようなサービスもあるようですし、リースで太陽光発電システムを利用することも可能になっているため、以前に比べると太陽光発電の設置が可能になったと言われています。

太陽後発電はいつ設置するのがいいのか?

このように太陽光発電の価格推移を見ていると当然現在はリーズナブルになってきているのですが、今後も同じように価格の引き下げが行われているかどうかについてははっきりとわかっていません。


現在も太陽光発電の普及について、様々な取り組みが進められているので価格もリーズナブルになっているようですが、今後しばらくは停滞する可能性もあります。ですから今後価格の引き下げが行われることを期待して今は設置をしないといった選択ではなく、どんどん価格の引き下げが行われている今、設置してしまう方が良いのかもしれません。

太陽光発電業者の選び方

太陽光発電 コスト

まずは光熱費のコストとメンテナンスについて計算してみる

太陽光発電にはそれなりのコストが掛かってしまうので、この部分で設置が難しいと考えてしまう人もいるようですが、しっかりと細かな部分までシミュレーションをしていくと、設置する際のコストはそんなに気にならないことがわかります。

また、太陽光発電を設置する際のコストだけでなく、設置した後のコストについても心配している人がいるようですが、この部分についても、設置前よりコストが低くなることがわかっています。

太陽光発電にすればガス代と電気代についてのコストが低くなるのはもちろんですが、お風呂に関しては追い焚きが可能になるため水道代にも違いが出るようです。太陽光発電を設置しようと考えているのであれば、まずはこうした光熱費のコストと、設置してからのメンテナンスについてを計算してみると良いでしょう。


その上で、次に気にするのは変換効率ですよね。どれだけの電気を作ることができるのかについて、細かく計算をしてみると、年間で売電できる電力がわかりますので、設置時のコストを取り戻すことが出来るかどうかについて、先を見越して選ぶことが可能になります。

太陽光発電に必要なコスト

太陽光発電に必要なコストは基本的に設置時のものと、メンテナンスの部分になってきますので、売電で将来的に補うことが出来れば、前向きに設置を考えられると思います。

家庭だけでなく、産業などにおいても太陽光発電のコストは充分に計算されていて、多くの電力を作り、売電されて設置時のコストを少しでも早く取り戻せるようになっています。これからはコストに関しても更に低くなると言われていますし、今よりもリーズナブルになって、より多くの太陽光発電が普及するのでは無いかと言われています。

確かに太陽光発電が普及していくのはとても良いことであり、デメリットに思えるようなことがほとんどありませんので、充分にコストを計算した上で設置するメーカーを選びましょう。メンテナンスについてのコストが安ければ安いほど、良いと言われていますので、点検や修理の際にどの程度の費用が必要になるのか、無償でおこなってくれるのかについてを確認しておくと良いと思います。

また、光熱費の部分に関しては、節約を心掛けることでコストを落とすことが出来ますので、大きなメリットになると思います。単純に設置する際の販売価格を見て、コストが掛かると判断してしまうのではなく、上記のような部分を考えた上で、改めてコストの計算をしてみると、思っているよりも安く設置出来るケースがほとんどです。

太陽光発電 費用


一括見積もりサイトを利用する

太陽光発電の導入を考えている人なら、最も気になるのは費用です。太陽光発電の費用の相場ってどれくらいなのだろう、と思っている人は多いはずです。太陽光発電の費用の相場は、大手家電量販店などに行ってみることでもわかるかもしれませんが、一番簡単な方法として自分で一括見積もりサイトを利用して、複数の会社の見積もりを取ってみるとよいでしょう。

見積もりを取ってみるつもりで、いくつかの一括見積りサイトを利用して見積もりを出してもらうと、太陽光発電を導入するための費用の相場はだいたい見当がつくでしょう。

購入するタイミングによってかかる費用が変わる

ただし、一括見積りサイトで見積もってもらえる費用は、そのメーカーの最新の価格かはわかりません。太陽光発電システムという大きな費用が必要なものは、また今注目されているクリーンエネルギーを生み出すものということで、社会情勢や開発状況などからも商品の価格は変わる可能性があります。

たとえば、今の経済情勢を見ていると、円高、円安ということだけでも、さまざまな影響が出てきています。購入するタイミングによって、かかる費用が変わってくることはよくあります。

太陽光発電は今非常に注目されていますので、いろいろと幅広く情報をチェックすることで、相場が変わるタイミングなども考慮できるでしょう。今年はこんな相場だけど、来年はもっと上がるだろう、とか、そんなことがわかると、相場を推測してタイミングを合わせることができます。

決して安いものではない太陽光発電ですから、できるだけ費用は抑えて導入したいものです。今の相場を早く捉えて、導入のタイミングも考えながら、各メーカーの対応などもしっかり抑えたいですね。

今では、インターネット上にもたくさんの情報がありますので、太陽光発電の費用について多くの情報を知ることができます。